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Installation| インスタレーション - 80年代
 1980年代前半にアメリカにおいて、ポップアートと同じく既存のイメージを流用しながらも、その根底に美意識や社会、政治への批判的な態度を感じさせる作品を制作するアーティスト達が登場します。
 シミュレーショニズムと呼ばれるこの動向には、映画の一場面を自ら再演するシンディ・シャーマンや、マールボロなどの広告写真を流用しアーティストのオリジナリティを否定して見せたリチャード・プリンスが挙げられます。

 同じく、シミュレーショニズムを代表するアーティストであり、雑誌の編集者としての職歴を持つバーバラ・クルーガーは、既存の広告から流用した写真と短いメッセージを、洗練されたデザインによって作品化しました。TV、広告、映画などの様々なイメージの氾濫する情報化社会を背景に、揺らぐ個人のアイデンティティーへの問いかけは、強い批判精神を感じさせます。

 インスタレーションの影響は、画家や彫刻家としてスタートしたアーティストにも作品の捉え方に変化をもたらします。

 ドイツのアーティストであり、ネオ・エクスプレッショニズムの画家として知られるようになったアンゼルム・キーファーは、戦争の記憶や神話、宇宙への関心をテーマに、絵の具が分厚く盛り上げられているだけでなく、植物や金属板など様々な素材が貼り付けられた絵画を制作。さらに、絵画自体も展示空間の一部として、同時に展示されるオブジェと関係づけられ、インスタレーションとして展開されていきます。

 イギリスでは、コンセプチュアルな態度から離れ、個人的・造形的な関心を元に彫刻制作を行うアーティストたちのムーブメントが起こります。トニー・クラッグ、リチャード・ディーコン、アントニー・ゴームリー、アニッシュ・カプーア等、ニュー・ブリティッシュ・スカルプチャーと呼ばれるこの動向においては、インスタレーション的に展開される作品も多く制作されています。


図1)バーバラ・クルーガー《Untitled(your Body is a Battleground), 1989》
図2)バーバラ・クルーガー《We Don’t Need Another Hero, 1986》
図3)アンゼルム・キーファー《The Women of the Revolution, 1984》
図4)トニー・クラッグ《Spectrum, 1983 & African Culture Myth, 1984》
図5)クリスチャン・ボルタンスキー《The Angels , from ‘Advento’, 1986》
図6)レベッカ・ホルン《The Little Widow, 1988》





3,850円(内税)

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