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Installation| インスタレーション - 90年代
 90年代には、アーティストは特定のスタイルに縛られることなく、表現スタイルのボーダーレス化が進み、制作される作品はインスタレーションとして多様な展開を見せていきます。
 また、西洋以外のアーティストが高い評価を受けるようになるのも、90年以降の大きな変化として挙げられます(マルチカルチュラリズム)。

 ジェンダーや、人種問題をテーマとしながらも、直接的なメッセージとしてそれらを伝えるのではなく、詩的なファンタジーを伴う形で作品化を行ったフェリックス・ゴンザレス=トレス。作品の多くは、観客との関わりによって作品の意味が機能するように仕組まれています。
 観客を積極的に巻き込んでいくことで成立する作品は、リレーショナルアートと呼ばれ、90年代以降のアートの動向の一つとなります。

 また、観客の参加を作品成立の条件とする動向は、鑑賞者の働きかけとコンピュータの応答によって作品が進行するインタラクティブ・アートにも見ることができます。

 その他にも、ビデオ機材の低価格化と一般への普及や、モニターからプロジェクターへの移行によってビデオアートが新たな展開を見せはじめます。ビル・ヴィオラ、ゲイリー・ヒル、ピピロッティ・リスト、スタン・ダグラスらは、映画の上映形式とは異なる美術作品としての映像のあり方を模索し、マルチスクリーンによる展示など、より複雑な映像体験をもたらすビデオインスタレーションを制作しています。


図1)フェリックス・ゴンザレス=トレス《Untitled(North), 1993》
図2)モナ・ハトゥム《Home, 1999》
図3)トレイシー・エミン《Exorcism of the Last Painting I Ever Made, 1996》
図4)ピピロッティ・リスト《Ever Is Over All, 1997》
図5)スタン・ダグラス《Hors-champs, 1992》








    

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