トーマス・ルフ(1958年生まれ)は、デュッセルドルフ芸術アカデミーにてベッヒャー夫妻のもとで学んだ、ベッヒャー派として必ず名前の挙がるドイツの写真家です。写真のメディアとしての特性の着目し、写真表現の新しい可能性を追求した興味深い作品を制作しています。
1980年代の初めに、同僚や友人をきわめて客観的に撮影し、大きなサイズにプリントしたポートレート作品にて彼は世界中に知られるアーティストとなりました。1990年以降は、アーティスト自身は撮影せず、既製の画像(レディメイド)を使用するようになります。
本書は、ルフの代表作の一つである、『jpegs』のシリーズをまとめたものとなります。『jpegs』はインターネットで収集した画像を、低画質に加工し、巨大サイズでプリントするという手順で制作され、遠くから見ると普通の写真のように見えますが、近づくにつれデータ圧縮によるブロッックノイズがはっきり見える様になります。
画像圧縮技術に支えられた、膨大な画像があふれるインターネット世界のドキュメントです。
出版社: Dumont
タイプ: ハードカバー
言語: 英語
サイズ: 39 x 29.5 x 2.3cm
状態: 新刊