サイ・トゥオンブリー(Cy Twonbly 1928年 - 2011年)アメリカを代表する画家・彫刻家です。バージニアに生まれ、ニューヨークのアートスクールにてドイツ表現主義の絵画を中心に学びます。その後、多くのアーティストや文学者を魅了した「ブラック・マウンテンカレッジ」の夏と秋の講座に参加し、ロバート・マザウェルに師事しました。1951年、ニューヨークのSamuel M.Kootzにて初個展を開催。1957年に初めてローマを訪れ、1967年より定住し、2011年にこの世を去るまでこの地で制作を続けました。
トゥオンブリーは、1950年代よりプリミティブで実験的な絵画作品を制作し、その後黒いキャンバスに白の自由な線描を特徴とした絵画を展開します。
1960年代からは色彩が使用されるようになり、素手で絵具を塗り付けた絵画を制作。その後も、ギリシャ神話「Leda and the Swan」(レダと白鳥)をテーマとした作品、「Blackboard Paintings」、「Grey Paintings」など多くのシリーズを描いています。また、2010年にはルーブル美術館の天井画を手がけるなど、亡くなるまで意欲的に作品を制作し続けました。
絵画だけでなく、非常に個性的な彫刻作品や、ポラロイドで撮影された写真作品も数多く制作しています。
本書は、2020年開催予定であったアメリカ合衆国の二つの美術館Moston,MA Museum of Fine ArtsとLos Angeles, CA The J.Paul Getty Museumでの展覧会を機に刊行されました。
トゥオンブリーが初めてイタリアを訪れたのは、まだ若い成年であった頃でした。そして、生涯に渡りクラッシック文化への情熱は絶えませんでした。ペイントされたキャンバス、紙上の作品、小さな彫刻らは、抽象的に構成された歴史の魂を明らかにしています。個人的な手引きとして神話や英勇を取り上げ、古代の視覚的、文学的な芸術と心理的に複雑な対話を制作したのです。本書では、トゥオンブリーの個人的なコレクションを含む約50点以上の作品が掲載され、Anne Carson, Jennifer R. Gross, Brooke Holmes and Mary Jacobusら著名な学者や作家によるエッセイも収録。彼の芸術と過去の世界との謎めいた関わりを探った一冊です。
出版社: MFA Publications, Meseum of Fine Arts, Boston
タイプ: ハードカバー
言語: 英語
ページ数: 264ページ
サイズ: 27.9 x 24.1 cm
状態: 新品
刊行年: 2020年
ISBN: 9780878468744