レイチェル・ホワイトリード( Rachel Whiteread 1963年 - )イギリス・ロンドン出身の芸術家。イギリスを代表する現代芸術家の一人。1990年にイースト・ロンドンのChisenhale Galleyにて「Ghost(1990年)」(家具や空間のできるものの内側に石膏を流しその空間を抜き出すというもの)を発表。1993年にターナー賞を受賞し一躍名を広げる。受賞後、同時期に取り掛かっていた作品「House(1993年)」、取り壊される一軒の家の内側を”Ghost”と同じ手法を用いて型抜きした作品を制作。オブジェクトをトレースするという形態、そして鋳造の終わったあとその型となった元のオブジェクトは取り除かれる。日常よく目にする一つのオブジェクトのみならず家や家具などを、単一の素材:石膏・ゴム・樹脂などによってオブジェクトの細部にいたるまで全てをトレースし、その後、トレースされたものたちは消えゆく。インタビューにて、彼女はこの制作方法について「空間や静寂の感覚をミイラ化する」と答えている。現在、”House”は取り壊され写真でしか見ることのできない作品。
本書は、2013年春にGagosian Gallery (London)にて行われた展覧会時に同時刊行された書籍となります。2012年と2013年(1点のみ2010年作があります)に制作された作品を掲載しています。”Detached”と名付けられたこの展覧会は、本質的なプロセスから、実際に展示されている彼女の作品の抽象性と距離との両方を再確認できるものとなっていました。本書の最初のページでは、型抜きを行なっているプロセスを写真とテキストにより紹介。そして、「Concrete Sheds」「Vitrines and Bronze Box」「Doors and Windows」「Works on Paper」の4つのシリーズが掲載されています。大きな写真で作品が紹介され、装丁も美しい書籍です。
出版社: Gagosian Gallery
タイプ: ハードカバー
言語: 英語
ページ数: 120ページ
サイズ: 27.7 x 21.7 cm
状態: 新刊